青銅鏡 (裏側)

 鏡は、銅・錫・鉛の合金を、鋳型に流し込んでつくられました。鏡面の裏側には、古代中国の宇宙観・世界観に基ずく  
    青銅鏡 (裏側)

   神像や霊獣などが表わされ、立身出世や子孫繁栄を願う銘文が記されています。
 
【1号鏡 三角縁 環状乳四神四獣鏡】



この山は、平安時代から春日神社 (現磐手杜神社)の神域として守られてきた聖なる山です。  平成 9年夏、この地を

発掘調査したところ、長大な木棺  を納めた古墳が発見されました。 棺内には5面

の青銅鏡(1〜5号鏡)    をはじめ、ガラス玉をつづった装飾

品や刀・斧などの鉄製品が副葬され、 並々ならぬ人物が埋葬されていた    ことが明らかになりました。

特に注目されるのは、  中国・魏の年号「青龍三年」
(西暦235年) をもつ “方格規矩四神鏡” 2号鏡 と、古いタイプの

“三角縁神獣鏡” 1号鏡などが、日本でははじめて一緒に出土したことです。「魏志倭人伝」には、景初三年(西暦239年)

6月に倭国の外交使節団が邪馬台国を出発、  12月に魏の都・洛陽に到着。 皇帝から「親魏倭王」の印

授とともに」「銅鏡百枚] などを賜った、  と記 されています。安満宮山古墳 の 1号 ・2号 ・5号 の 3面は、

その一部 と考えられ、 「銅鏡百枚」の実態に迫る画期的な発見です。  邪馬台国の重要 な外交ルート 

である淀川 を 一望 する 安満宮山古墳。  ここに眠る人物は、眼下にみえる 三島地方の 最大環濠集落 ・安満遺跡

を拠点とするこの地の「王」で、使節団の有力な一員として活躍 し、 これらの貴重な鏡を女王・卑弥呼 から直接授け

られたのでしょう。

 【 青銅 鏡 5 鏡  詳細 】 
1 号 鏡 三角縁 「吾作」 環状乳四神四獣 鏡 直径 21.6cm 重さ 1100g 西暦 240年
2 号 鏡 「青龍三年」 方格規矩四神 鏡 直径 17.4cm 重さ 545g 西暦 235年
3 号 鏡 三角縁 「天 ・王 ・日 ・月 ・吉 」 獣文帯四神獣 鏡 直径 22.5cm 重さ 1175g 西暦 260年
4 号 鏡 斜縁 「吾作」 二神二獣 鏡 直径 15.6cm 重さ 438g 西暦 220年頃
5 号 鏡 「陳是作」 半円方形帯同向式神獣 鏡 直径 17.5cm 重さ 714g 西暦 240年






                                               資料: 高槻古書 及び 現地収集

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